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カネヒロがお届けする、旬のニュースです。

【2004年】

カネヒロニュース/12月号
 今年も残すところ後1ヶ月となり、何かと慌ただしい師走を迎えました。北海道では寒さも増し、本格的な冬の到来を感じさせます。
 11月末に終了したアキサケの定置網漁は羅臼を除き、例年にない大不漁の年となり、昨年の約半分の水揚げに留まる漁協も少なくありませんでした。最後まで魚価高が継続し、水産加工業者にとっては厳しい結果となりました。アキサケだけでなく、今年は春鮭鱒、サンマ等においても魚価高だったため、原魚代に大きく足を引っ張られる形となりました。
 12月からはロシア200海里内四島周辺水域での小型船によるマダラ延縄漁が解禁され、本格的な冬漁が展開されます。また、たらこの主原料となるスケソウダラ漁も各地ではじまり、北海道の冬の味覚が勢揃いします。

カネヒロニュース「つり情報」
 12月1日現在、根室周辺の各河川は結氷しておらず釣りは可能ですが水温低下によって魚の活性も低下し、かなり難しい釣りとなることでしょう。しかし、エゾシカ猟などで訪れる山林を流れる上流域の支流では例年、イクラを餌にした釣りでアメマスが面白いように釣ることができます。小型魚中心ですが数十匹の釣果は見込めます。小さな溜まりにアメマスが姿を見せて群泳しており、まさに釣り堀の状態です。しかし、自然河川なので入釣のタイミングが大きく釣果に左右されます。いくら寒くても早朝から午前中までが良く、午後になればさっぱりということも珍しくありません。このポイント形成の要因はアキサケやアメマスが産卵した卵を狙って魚が集結したものであり、時期的に限られたものです。
 12月下旬には完全に氷の世界に閉ざされ、氷上のワカサギ釣りの季節を迎えます。
2004.12.1

カネヒロニュース/11月号
 北海道の一部では初雪が観測されたものの、依然として比較的暖かい気候が続いています。
 今年の道東沖サンマ棒受け網漁は道東沖の海水温が高く推移したために長期間ロシア海域での操業が継続し、花咲港への水揚げは好調な結果で水揚げ金額も24時間休漁体制による漁獲制限や積み荷制限によって魚価高を招き、結果的には魚価を維持した形になりました。反面、加工業者にとっては中身のない仕事となり、来季に大きな課題を残した年となりました。また、10月下旬には知床沖オホーツク海域に漁場が形成され、根室港に4年ぶりの水揚げがありました。組成率は40〜50%前後で魚体の良いサンマが主体です。11月上旬には各船サンマ漁を切り上げ、マダラ漁への準備に追われます。
 アキサケの定置網漁は依然、不振で11月末の漁期まで水揚げが保たれない状況です。根室での水揚げは散々な結果で沿岸の水滞形成が悪影響を及ぼしました。好調な水揚げを維持していた羅臼でも魚群が切れ、漁模様は一変しています。定置網への魚群の来遊が終了すると北海道に本格的な冬が訪れます。

カネヒロニュース「つり情報」
 紅葉の落ち葉もかなり少なくなり、原野の河川は静けさを取り戻しています。イトウ狙いにとってはラストチャンスの11月。寒さも増し、魚の活性も低くなってくるためかなり難しい釣りが余儀なくされます。釣り人の気力が釣果を左右する結果となるでしょう。この時期のイトウは越冬を控え、目の前の獲物には必ず反応すると言われ、コンスタントにポイントを移動することが釣果につながります。
 北海道で賑わいを見せていたアキサケ釣りも遡上魚群が切れ各地、釣期は終了しています。沿岸ではニシン、チカ、コマイといった北の魚が主役となり、釣り上げた魚を一夜干しにして食する季節になりました。
 山林ではエゾシカ猟、湖沼ではカモ猟が解禁されており、本州から熱狂的なハンターが道東に訪れています。年々、農業被害が拡大しているため、道東ではエゾシカ猟の期間延長や捕獲頭数が増加しています。雪が舞い降りる12月に最盛期を迎えます。
2004.11.1

カネヒロニュース/10月号
 道内各地で紅葉が色付き、各種味覚祭等のイベントが開催されまさに実りの秋を迎えています。
 8月下旬から本格的に操業が行われている道東沖のサンマ棒受け網漁は今年の道東沖の海水温度が例年に比べて高く推移したためにロシア海域での操業が比較的長く続いていましたが、10月に入りようやく魚群の南下が本格化しています。魚体も中型魚が中心となり、漁も終盤戦に突入しています。
 9月解禁されているアキサケの定置網漁は10月までの1ヶ月間、特に根室では漁模様が思わしくない状況です。魚群は3年魚の中型魚が中心で鮮度等良質のものが少なく、加工業者は道内各地からアキサケを買い付けるなどして原魚確保に追われています。11月下旬までの漁ですが、海水温度が落ち着く10月中旬頃の漁模様に期待が寄せられています。

カネヒロニュース「つり情報」
 湿原にはシベリアから白鳥やカモ類が飛来し、道東に本格的な秋が訪れています。この時期、原野の河川では秋のイトウ釣りのシーズンに入りますが、今年は夏の猛暑と少雨の影響で河川の水が減水しているため、期待薄の状況です。大場所での粘りが釣果に結びつく近道でしょう。またアメマスはこの時期、産卵を控えており中、大型魚のほとんどが上流域へと遡上しています。そのため釣果は希に聞かれる程度です。今後の水位回復が期待される所でしょう。
 道内の河川の河口ではアキサケの遡上が最盛期を迎え、多くの釣果が報道されています。特に道北方面での釣果が良好で10尾程度の釣果が期待されるそうです。年々、密漁の取り締まりが強化されており、マナーの厳守が問われています。
2004.10.4

カネヒロニュース/9月号
 猛暑が続いていた道東も朝晩の風が冷たくなり、秋の気配が感じられます。道東沖のサンマ棒受け網漁は8月20日に解禁された大型船の参入により最盛期を迎えています。しかし昨年同様、大型のサンマが集中的に水揚げされ一時的に価格が急落したために漁獲制限や水揚げ後24時間の休漁といった措置をとり対応しています。一方で買受人側にとっては不利な状況に追い込まれ、希望価格で取り扱えないのが現状です。春鮭鱒が不振の中、サンマは根室にとってなくてはならない魚で根室経済を考えた場合、盛漁期における経済活動の阻害にあたるとして各関係者が連日会議を繰り広げています。庶民の魚として代表的なサンマが東日本を大きく動かしています。
 根室沿岸アキサケ定置網漁は8月26日から解禁されており翌日の27日に初水揚げされています。4,5年魚とみられる4kgを超える大型魚が中心で9月以降、本格的な水揚げが始まります。ここ数年、銀毛を目的とした前期集中型の稚魚放流が行われており、漁期前半の水揚げに期待が寄せられています。

カネヒロニュース「つり情報」
 北海道の河川ではカラフトマスやアキサケの遡上がピークを迎えています。日高の元浦川では今年もライセンス制による内水面でのアキサケ釣りが解禁されています。年々、市場価値が下がるアキサケの有効利用と地域に及ぼす経済効果、観光化の度合いを模索する目的で行われています。ルアー、フライフィッシングのみの釣りで釣果は全体で1日50尾程度ですが国内においてアキサケ釣りが内水面で解禁されている点については一度、挑戦してみる価値はありそうです。
 また朝、夕の気温が下がり始め、原野の河川の中流域ではイトウを狙える季節になりました。秋のイトウはコンディションが良く、良型が期待できます。しかし、この時期の河川は水位が低く春の遡上時期とは異なり一定の決まったポイントに定着しているため、根気よく粘る事が釣果につながります。道東で有望な河川として風蓮川、別寒辺牛川、釧路川、斜里川などが挙げられ、水面が凍る11月下旬まで狙う事ができます。
2004.9.1

カネヒロニュース/8月号
 今年の北海道は例年にない猛暑で北の果て根室でも30度を越える気温を記録し、夏本番を迎えています。
 根室の花咲港や厚岸、釧路の3港では東カムチャッカ海域で操業していた北洋サケ、マスの大型船が続々と帰港、水揚げを始めており、本年度の北洋サケ、マス漁も大詰めを迎えています。出漁当初からロシア側との民間交渉が難航を極め、1ヶ月出漁が遅れた分漁獲されたベニサケは遡上を控えた魚が目立ち質的に良い魚が少なく、また、様々な要素が絡み合い価格形成は厳しい状況下に置かれ赤字必至となっています。さらに追い打ちをかけた漁期終盤での19t船の拿捕により、来季に不安を残したまま本年度の北洋サケ、マス漁は幕を閉じようとしています。
 7月上旬に解禁された道東沖サンマ流し網漁では7月末現在、約1,500tを水揚げしており好漁の状況で価格はその日の水揚げ量に左右されますが、比較的高値で推移しています。前浜の水温が18度前後でその水帯に漁場が形成されており水揚げに時間がかからず鮮度の良い魚が多く見られます。8月以降、随時サンマ棒受け網漁が解禁され、サンマ水揚げ日本一の根室花咲港は活気に満ちあふれます。

カネヒロニュース「つり情報」
 8月の声を聞くと道東を中心とした各河川ではカラフトマスの遡上が始まります。その遡上魚を狙って河口付近の海岸には多くの釣り人が集まります。シーズン当初は知床半島の各河川の河口が良く、本州からの遠征隊も多数見られます。北海道では非常に人気のある釣りで紅イカを使用した浮き釣りやルアー、フライなど多様な釣法で狙う事ができます。早朝と夕方の満潮時が最適で群れに当たれば大釣りの可能性もあります。50ー60cm程度が中心サイズで鼻の先が曲がり、背の盛り上がったセッパリマスと呼ばれるものが多く見られます。釣り上げた魚はフライや漁師料理のちゃんちゃん焼きなどで食す事ができます。
 9月になると北海道を代表する魚アキサケの遡上も始まり、より多くの釣り人が河口に集結します。比較的大きな河川では河口両側に釣り規制区域が設けられており、法律で釣りが禁止されているため注意が必要です。秋の気配が深まる10月までが釣期で北海道でしか味わえないダイナミックな釣りを楽しむ事ができます。
2004.8.2

カネヒロニュース/7月号
 朝晩海霧(ガス)のかかる日が多く、典型的な今頃の根室の天候となり、野山の緑があざやかです。
 春鮭鱒の漁の方は、日本200海里内の水温の上昇でマスが主体の水揚げが続き、トキサケは卵の成熟が進み、脂肪分が少なくなって終漁の様相となっています。
 6月16日に例年より1ヶ月遅れて出漁したロシア200海里内の操業はカムチャッカ沖での大型船は高価なベニザケの漁獲を目ざして現在操業中で中旬頃の水揚げとなりそうです。
 19型船の操業は千島列島の北側と南側でトキサケ中心の水揚げで現在2航海目で漁模様は順調ですが、出漁が遅れた分、卵の成熟が進み脂肪分が少なくなっているため価格は下げています。
 根室、釧路、厚岸等の港を基地とした道東の北洋鮭鱒漁業はこの2年間例年よりも1ヶ月遅れの出漁となっているため、脂肪ののった価値のあるトキサケ、ベニザケの水揚げが望めない、厳しい条件での操業となっています。
 このことは、地域の漁業、水産加工業のみならず、経済の活性化のために、ロシア海域への出漁は何としても5月中旬に行えるようにしなければ、その存在基盤さえも失うことになりかねません。

カネヒロニュース「つり情報」
 山頂の残雪も6月上旬に姿を消し、源流域でのオショロコマ、ヤマメ釣りのシーズンを迎えています。知床半島の付け根部分を流れ、サケ釣りでその名を全国に知らしめた忠類川、その隣を流れる崎無異川、植別川などが道東屈指の渓流釣りポイントとして挙げられます。川伝いに林道があり比較的容易に入釣ができる事でも人気があります。
 7月でも水温が10度前後と低く、早朝よりも太陽が完全に昇ってからの方が釣果は良いようです。また、水生昆虫の羽化とも密接に関係しており、虫の飛んでいる時間帯が魚の活性も高くなります。色々な釣り方で狙うことができますが、ドライフライを使用したフライフィッシングが最も魅力的です。釣れるサイズは20cm前後が中心で3番から4番のフライロッドが最適です。
 オショロコマの釣果は無限でそのモラルが各人に問われます。しかし、ほとんどの釣り人はヤマメ狙いであり、オショロコマの生息は維持されています。日本では北海道の道東周辺がその生息域の南限とされており、学術的には非常に貴重な魚です。8月の末までが釣期で北海道の短い夏を彩ります。
2004.7.1

カネヒロニュース/6月号
 例年、サケ・マスの水揚げがある6月は道東特有の霧が発生し非常に寒い日が多いのですが、今年は20度前後の初夏を思わせる気候に恵まれています。
 5月下旬まで順調に進んでいたロシア200海里水域内におけるサケ、マス流し網漁の民間交渉は6月に入り一転して、ロシア側からの入漁料引き上げ要求により19t船の出漁が6月上旬現在、依然として闇に包まれています。日々、出漁の情報が色々と飛び交っていますが具体的な妥結には至っていない状況です。既に花咲港には大型船が集結しておりその動向を見守っています。また、貝殻島周辺水域のコンブ漁が1週間遅れでようやく解禁され、関係者は胸をなで下ろし、332隻が一斉に出漁しています。
 4月下旬以降、好漁が続いている日本200海里水域内サケ、マス流し網漁は6月に入り、カラフトマスを中心とした水揚げに変わっています。トキシラズは大型魚が多くアキサケ系の魚がかなり目立っており、既に6月上旬で終期の魚が来遊してきています。今年は時期的にみても非常に早い展開となっています。

カネヒロニュース「つり情報」
 桜の開花以降、日照時間が長かったため草木の繁茂が激しく既に6月上旬で湿原はジャングル状態。川通しの釣りは困難を極め、カヌー等を使用した釣りがメインとなってきます。
 この時期、水温の上昇と共にニジマスの活性が高くなり、春のアメマスと代わってメインターゲットとなります。ここ数年道内の河川でニジマスの放流事業が盛んに行われており、確実に数を増やしている魚種です。特にその釣り味と魚体の美しさが道内の釣り人に人気があります。北海道の広い範囲で自然産卵が確認されており、道内の河川に定着してかなり大型に成長します。ニンフ等を使用したフライフィッシングでの釣りに人気があり、独自のフライで楽しむ事ができます。
 この時期、遡上のピークを迎えているサクラマスについては今年の遡上数が極端に少なく、きわだった釣果は報告されていません。その原因として海水温が大きく関係していると考えられています。また、標津川等で毎年問題になっている密漁対策も今年はマスコミ等を利用し、取り締まりも一段と厳しく、現行犯も少なくないようです。
2004.6.8

カネヒロニュース/5月号
 日本200海里水域内におけるサケ・マス流し網漁が解禁されてから1ヶ月が過ぎようとしています。今年は道東沿岸の海水温がトキシラズの回遊水温帯の5度前後と高く、豊漁ムードで展開されています。そのため、水揚げの回転が速く比較的鮮度の良い魚が多く見られます。今年の魚は初水揚げから脂ののりが良く、質のいいものが多いのも特徴です。しかし、例年最も良いとされる5月中旬にはかなり成熟の進んでいるものも見られ質の低下が早まっています。
 浜値の方は昨年よりも落ち着きを見せていますが、売値が伴わず加工業者にとっては難しい取り組みとなっています。5月下旬以降に出漁を控えている19t船ロシア200海里水域内での操業による水揚げでの価格動向にこれからの注目が集まります。その後、大型船の参入により北洋サケ・マス漁は本格化します。

カネヒロニュース「つり情報」
 湿原には福寿草(フクジュソウ)が咲き乱れ、道東に春の訪れを告げています。この時期、幻の魚とされるイトウを狙って釣行する人が増え、多くの人々は思い思いの湿原に入っています。  今年の釣果は好調で道東の有名河川では多くの情報が流れています。風蓮川ではメーターオーバーを筆頭に50cm台のものまでいれれば10尾以上の釣果が聞かれています。また同じ道東の別寒辺牛川では80cm台が釣り上げられています。ともにルアー釣りの釣果で大型のスプーンやミノーが効果的です。好調の背景には水量が多い事と河口に設置される止めを入れる時期が遅くなり、比較的多くのイトウが海から遡上していると考えられます。  春の道東の湿原でのイトウ釣りは6月いっぱいまでで、多くの山菜と共に広大な原野を彩っています。
2004.5.12

カネヒロニュース/4月号
4月1日各企業は年度初めを迎え、また新入社員が緊張した面持ちで入社式に臨んでいる事と思います。株式会社カネヒロは本年度、株式会社設立50周年という大きな節目の年を迎え厳しさを増す水産経済界の中、さらなる飛躍が期待されています。
 北海道の春の味覚として代表的なトキシラズの漁獲枠等を定める日本200海里水域内での太平洋小型サケ、マス流し網漁の操業条件が4月1日、ロシアとのサケ、マス交渉で合意されています。その内訳として漁獲可能量はトキシラズが330t、カラフトマスが3300tとなっています。ロシア側に支払われる漁業協力費はキロ当たり149円70銭で30銭引き下げられたとはいえ依然厳しい内容となっています。今年の出漁隻数は85隻とされており、根室市では根室、歯舞、落石の3港から35隻の出漁が予定されています。年々、衰退の一歩をたどっている道東のサケ、マス漁ですが海外養殖のギンザケやトラウト等の食に対する安全性が懸念されている中、天然資源としての価値観を消費者にアピールし魚価や消費を高め、道東のサケ、マスのブランド化等、美味のサケという位置付けが少なからずこの業界に影響を与えることができるでしょう。

カネヒロニュース「つり情報」
本州各地では桜の開花が報じられている中、道東地方では雪が降り、一度消え去った流氷が知床半島に戻ってくるなど本格的な春の訪れはまだまだ先の様です。
  3月下旬に氷が落ちた各河川では気の早い釣り人が多数訪れ、早春のアメマス釣りが開幕しています。今年は冬の降雪量が多かったため、河川の水量も多く特に上、中流域では、多くのポイントをつくり出しています。この様な状況は4年ぶりで非常に期待の持てるシーズンとなりそうです。
 ルアーやフライ等での釣果はぼちぼちときかれていますが現在、水温が2〜3度と低く気温が上昇する日中からの釣りが狙い目となります。一時、サケ、マス稚魚の害魚としてしか扱われていなっかたアメマスですが、マスコミ等の影響やアプローチの手軽さなどから今では北海道の河川での釣魚人気No.1となっております。春のシーズンは湿地帯の草木が繁茂する6月までで水温が上昇するにつれ、イトウ、ニジマス、サクラマス等が狙える様になります。
2004.4.5

カネヒロニュース/3月号
 2月下旬、根室半島のオホーツク沿岸は流氷で覆われ流氷着岸が観測されたものの数日で沖に流され、今はその姿を見る事ができません。
 年明けから操業が行われている羅臼のスケソウダラ漁は自社が辛子明太子の主原料として最も力を注いでいる仕事でありますが、卵巣の成熟がかなり進んでおり辛子明太子の原料となる水子でもかなり卵質が落ちてきています。終盤を迎えているといってよいでしょう。
 根室市では根室の漁業に不可欠な関係のロシアとの間で各魚種における資源管理のセッションが盛んに行われており、将来における資源状態の改善策が主な論点となっています。密漁という一番の問題点がいかに監視体制のもとに組み込めるかが今後の課題となってくるでしょう。また、5月以降に操業が始まるロシア200海里内におけるサケ、マス流し網漁においても19t船団を主体とする道鮭連が組織体制をかえ、(株)道鮭連となりより一層の団結と対ロシアとの交渉への対策として新たな動きを見せています。

カネヒロニュース「つり情報」
 朝、晩の冷え込みは続いているものの、日中の日差しは幾分やわらかくなり春の陽気を思わせる日も多くなってきました。そのため、内水面を覆い隠していた氷は解け始めワカサギなどの氷上釣りはかなり危険な状態で今シーズンの釣期は終了したといってよいでしょう。
 河川の支流域ではいち早く氷が解け、川開きします。そういったポイントでは3月中旬頃からヤマメの新子釣りが始まります。川幅1〜2m程度のちょっとした深みにヤマメやイワナが溜まっています。この時期、餌となる水生昆虫が極めて少ないため餌への反応はすこぶる良いはずです。釣り方はミャク釣りが一般的で餌は主にイクラを使用します。10cm程度のヤマメが主体で数釣りが期待できます。釣ったヤマメは天ぷらや甘露煮等にして食されます。激寒の冬を乗り切った魚体は極限まで絞られ淡泊な味ですが春の味覚として人気があります。しかし、今年の冬根室の別当賀川周辺ではヒグマの足跡が発見され、冬眠していないことが明らかになっています。深追いしないことが賢明と思われます。
2004.3.5

カネヒロニュース/2月号
PH
2月20日撮影(根室流氷接岸)

 この時期、話題となるオホーツク海の流氷は2月の1週目現在、北海道には接岸しておらず網走沖5km付近の所まで砕け氷が姿を見せています。漁業関係者にとってみれば厄介者の流氷ですが、これをうまく観光に結び付けている網走、紋別、斜里といった地域は流氷の接岸に大きな期待を寄せています。北海道では冬季の仕事が減少するのが通常でこの時期、貴重な収入源となっています。船上観光の他、流氷下でのダイビングや流氷上の散策など専門のガイドを育成し、流氷の経済効果の可能性を拡げています。
 前浜ではウニやケガニといった北海道の特産品が水揚げされている他、晩秋に人工授精されたアキサケの卵の孵化がピークを迎えています。温度管理された孵化魚槽で親からもらった栄養分を抱え元気に泳ぎ始めています。2ヶ月間蓄養され、4月下旬までに全ての稚魚が放流されます。主に4年後北海道沿岸に回帰することでしょう。アキサケだけでなくウニ、カレイ類、ソイ類等の種苗生産が行われており、来季の漁期を前に地道な増養殖活動が行われています。

カネヒロニュース「つり情報」
 根室に限らず北海道内ではワカサギの氷上釣りが最盛期を迎えています。週末には数百単位のテントが立ち並び、冬のレジャーの代表格になっています。各漁協の放流活動により資源が維持されており、場所によっては入漁料を値上げしてより一層の資源管理を行う所も出始めています。
 その様な中、根室には貴重な自然孵化が行われている沼が存在します。ワカサギのサイズは7cm止まりの小型ですが資源が枯れること無く、毎年当たり前の様に釣りが行われています。このサイズでも既に成熟しており、釣れてくる雌の腹には黄色の卵が詰まっています。普段、足を運ぶことのない所ですが街から近いこともあり、家族連れの姿が見受けられます。今の時代、このような沼が存在する北海道の器の大きさに改めて感心させられます。氷が緩む2月末までが釣期で季節感あふれる釣りを楽しむ事ができます。
2004.2.6

カネヒロニュース/1月号
 2004年、根室では本土最東端の納沙布岬からの初日の出を拝むことができ、比較的穏やかな年明けとなりました。年明け後街景色は雪化粧に染まり、冬らしさを一層醸し出しています。
 根室の風蓮湖など結氷した汽水湖ではコマイ、チカ、ニシン、ワカサギなどを漁獲する「氷下待ち網漁」が最盛期を迎えています。この漁は結氷した前浜や汽水域に網を仕掛ける漁で冬期間の風物詩となっています。しかし、今年は暖冬のせいか氷の厚さが薄く、そのため網を仕掛ける範囲も狭くなり漁獲量も不振が続いています。今後の本格的な結氷が期待されています。
 北海道各地では冬の主漁となるマダラ、スケソウダラ漁が本格化しており、各産地では厳寒の海からの水揚げで活気にあふれています。スケソウダラで一時代を築いた羅臼でも北方四島周辺のロシア主張領海内で操業する「安全操業」でのスケソウ刺し網漁での水揚げが始まっています。また、前浜海域での刺し網漁も始まっており助子、明太子等を扱う水産加工業者では本格的な生産期を迎えています。

カネヒロニュース「つり情報」
 1月、北海道では全てのものがしばれに襲われ・・・という時代があったと聞いた事がありますが、時代と共に快適性が求められ随分過ごしやすくなったと誰もが感じる所でしょう。
 釣りの世界だけでなく、アウトドアー全体においても道具やウェアーの技術開発により新たな世界が広まりつつあります。本州では考えられない様な遊漁船が道東でブームを起こしています。厳寒の大海原での船釣りで釣魚はソウハチ、ホッケ等を対象としています。外気温は-10℃、釧路港や白糠港を拠点とし、午前6時出港。ポイントまでは沖に約1時間走ります。水深は80m前後で本格的な道具が必要となります。餌はイカの切り身、仕掛けは胴付き仕掛け、おもりは150号を使用します。釣果はもちろんクーラー釣りという魅力的なものです。マダラの漁が不振のため、この時期貴重な釣りとして人気があります。今年、初めて体験しましたが寒さはそれほど気になりません。しかし、太平洋独特のうねりはオホーツクの風波とは異なり、かなりの揺れをもたらします。また、船板はしばれて非常に滑りやすいので安全対策が必要となります。釣期は流氷が入る2月上旬まで楽しむことができます。
2004.1.13

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